【こども性暴力防止法】学校設置者と民間事業者では性犯罪履歴の確認期限が異なる|分かりにくい2つの違いを解説

Confirmation deadline
ユキマサくん

純さん、日本版DBS(子ども性暴力防止法)では、現職者の性犯罪履歴を確認しなきゃいけないんだよね?
でもうちの園と、知り合いの学習塾では確認の期限が違うって聞いたんだけど、本当なの?

純さん

そうなんです。
実は民間事業者と学校設置者等では、現職者の犯罪事実確認を完了させる期限が違うんですよ。
これが結構分かりにくいポイントなんです。

こども性暴力防止法(日本版DBS)では、制度が始まる時点ですでに雇用されている職員に対しても、性犯罪歴の確認が必要になります。この確認を「現職者の犯罪事実確認」と呼びます。

ただし、確認を完了させる期限が民間事業者と学校設置者等では大きく異なります。

今回の記事では、この2つの違いを分かりやすく解説していきます。

この記事で分かること

  • 民間事業者(認定事業者)と学校設置者等で確認期限がどう違うのか
  • 民間事業者は「認定を受けた日から1年以内」、学校設置者等は「法律の施行日から3年以内」という違い
  • 学校設置者等の期限が3年と長く設定されている理由
  • 約280万人の確認を分散させるための仕組み
  • それぞれの実務上の注意点
目次

現職者の犯罪事実確認とは

現職者の犯罪事実確認とは、こども性暴力防止法が施行される時点、または事業者が認定を受けた時点で、すでに雇用されている職員に対して行う性犯罪履歴の確認のことです。

新規採用者との違い

新規採用の場合は、採用前に犯罪事実確認を行い、結果が出てから雇用を開始するのが原則です。

一方、現職者は制度が始まる時点ですでに働いているため、全員を一斉に業務から外すことはできません。

そのため、一定の猶予期間を設けて段階的に確認を進める仕組みになっています。

ユキマサくん

なるほどね。
もう働いている人を急に全員休ませるわけにはいかないもんね。

純さん

その通りです。
ただし、猶予期間の長さが民間事業者と学校設置者等では大きく異なるんです。

確認の基準日が異なる

もう一つ重要なのが、確認の期限を計算する際の「基準日」が事業者によって異なる点です。

民間事業者(認定事業者):認定を受けた日が基準日
学校設置者等(義務対象):法律の施行日(令和8年12月25日)が基準日

民間事業者は認定を受けるタイミングによって期限が変わりますが、学校設置者等は全国一律で施行日から起算します。

【比較表】民間事業者と学校設置者等の確認期限の違い

現職者の犯罪事実確認の期限について、民間事業者と学校設置者等の違いを比較表で整理しました。

スクロールできます
比較項目民間事業者(認定事業者)
学習塾、スポーツクラブ、認可外保育施設など
学校設置者等(義務対象)
学校、認可保育所、児童養護施設など
確認完了の期限認定を受けた日から1年以内法律の施行日から3年以内
期限の基準日「認定を受けた日」がスタート地点「法律の施行日(令和8年12月25日)」がスタート地点
実施方法の特徴1年以内に全員の確認を完了させ、国へ完了届を提出する対象者が膨大(約280万人)なため、国が主導して時期を分散(27分割)して行う
ユキマサくん

1年と3年じゃ、全然違うね!

純さん

そうなんです。この違いには明確な理由があります。
次の節で詳しく説明しますね。

比較表のポイント解説

📌 確認完了の期限

民間事業者は認定を受けた日から1年以内に全員分の確認を完了させなければなりません。

一方、学校設置者等は法律の施行日(令和8年12月25日)から3年以内、つまり令和11年12月24日までに確認を完了させればよいことになっています。

📌 期限の基準日

民間事業者は「認定を受けた日」がスタート地点です。

つまり、令和8年4月に認定を受ければ令和9年4月まで、令和9年3月に認定を受ければ令和10年3月までと、認定のタイミングによって期限が変わります。

学校設置者等は全国一律で「法律の施行日(令和8年12月25日)」がスタート地点となります。

📌 実施方法の特徴

民間事業者は比較的少人数の職員を1年以内に確認すればよいため、事業者が自分のペースで計画的に進めることができます。

学校設置者等は対象者が全国で約280万人と膨大なため、一斉に申請するとシステムがパンクしてしまいます。

そのため、国が主導して申請時期を27分割し、計画的に分散させる仕組みになっています。

学校設置者等は3年間の猶予がありますが、自由に申請時期を選べるわけではありません。割り当てられた時期に確認を行う必要があります。

民間事業者(認定事業者)の場合|認定を受けた日から1年以内

民間事業者が認定を受けた場合、認定時点ですでに雇用している職員(認定時現職者)について、認定を受けた日から起算して1年を経過する日までに、犯罪事実確認を行わなければなりません。

1年以内に全員の確認を完了

認定を受けたら、1年以内に現職者全員の犯罪事実確認を完了させる必要があります。

例えば、令和8年4月1日に認定を受けた場合、令和9年3月31日までに全員分の確認を完了させなければなりません。

この1年間の猶予期間中は、現職者は通常通り業務を継続することができます。

完了後の届出義務

1年以内に全員分の犯罪事実確認を完了した際は、速やかにその旨をこども家庭庁に届け出る必要があります。

届出を行うことで、現職者の確認義務を果たしたことが正式に記録されます。

届出を忘れると、確認が完了していないとみなされる可能性があるため、必ず提出しましょう。

期限前に退職した職員の扱い

1年の期限が来る前に退職や異動などで対象業務に従事しなくなった職員については、犯罪事実確認を行う必要はありません。

例えば、認定を受けてから8か月後に退職した職員がいた場合、その職員については確認を行わなくてもよいということです。

ユキマサくん

途中で辞めた人は確認しなくていいんだね。

純さん

はい。
ただし、期限内に在籍している職員については必ず確認を完了させる必要があります。計画的に進めることが大切ですね。

実務上のポイント

📅 スケジュール管理が重要

犯罪事実確認には時間がかかる場合があります。余裕を持って計画を立てましょう。

  • 認定を受けたらすぐに確認作業を開始する
  • 職員の人数が多い場合は、グループ分けして順次進める
  • 期限の3か月前までには全員分の申請を完了させる

📝 記録の保存

確認を行った職員のリストや確認書は、適切に保管しましょう。

  • 誰の確認が完了しているか一目で分かるようにする
  • 確認書は情報管理規程に基づいて厳重に保管する
  • 完了届のコピーも保存しておく

民間事業者は、認定を受けるタイミングによって期限が変わります。早めに認定を受ければ、それだけ余裕を持って確認作業を進められますので、計画的に準備を進めましょう。

学校設置者等(義務対象)の場合|法律の施行日から3年以内

学校や認可保育所などの学校設置者等は、法律の施行時点ですでに雇用している職員(施行時現職者)について、施行日(令和8年12月25日)から起算して3年を経過する日(令和11年12月24日)までに、犯罪事実確認を行わなければなりません。

令和8年12月25日から令和11年12月24日まで

学校設置者等の確認期限は、全国一律で以下のように定められています。

  • 開始日:令和8年12月25日(法律の施行日)
  • 完了期限:令和11年12月24日(施行日から3年後)

民間事業者のように認定のタイミングによって期限が変わることはありません。すべての学校設置者等が同じ期限で確認を行います。

施行日が基準となる理由

なぜ学校設置者等は施行日を基準とするのでしょうか。それは、学校設置者等が「義務対象」だからです。

民間事業者は任意で認定を受けるため、認定を受けたタイミングがスタート地点になります。

一方、学校設置者等は法律で犯罪事実確認が義務付けられているため、法律が施行された瞬間から義務が発生します。そのため、施行日を基準として期限が設定されているのです。

ユキマサくん

なるほど。義務だから、法律が始まった日からカウントするんだね。

純さん

その通りです。ただし、確認対象者があまりにも多すぎるため、3年間という長い期限を設けています。

猶予期間中の扱い

3年間の猶予期間中、施行時現職者は通常通り業務を継続することができます。

確認が完了するまでの間、業務を制限する必要はありません。

ただし、後述する「分散申請」の仕組みによって、実際には各事業者に申請時期が割り当てられることになります。

実務上のポイント

📅 国からの通知に注意

学校設置者等には、国や都道府県から申請時期についての通知が届きます。

  • 自分の施設がいつ確認を行うべきか把握する
  • 割り当てられた時期に確実に申請する
  • 通知を見逃さないよう注意する

📝 対象者の把握

施行日時点で在籍している職員を正確に把握しておきましょう。

  • 令和8年12月25日時点の在籍者リストを作成する
  • 対象業務に従事する職員を明確にする
  • その後の異動や退職の情報も記録する

3年という長い期間がありますが、割り当てられた時期を過ぎると確認ができなくなる可能性があります。国からの通知をしっかり確認し、指定された時期に確実に申請を行いましょう。

実務上の注意点とポイント

民間事業者と学校設置者等では確認期限が異なるため、それぞれに合った実務対応が必要です。

ここでは、両者に共通する注意点と、それぞれ特有のポイントを整理します。

自分の施設がどちらに該当するか確認する

まず最初に、自分の施設が民間事業者なのか学校設置者等なのかを正確に把握することが重要です。

🏫 学校設置者等(義務対象)に該当する施設

  • 学校(幼稚園、小中高校、特別支援学校など)
  • 認可保育所
  • 児童養護施設
  • 児童館
  • 障害児入所施設

など、法律で犯罪事実確認が義務付けられている施設です。

📚 民間事業者(認定対象)に該当する施設

  • 学習塾
  • スポーツクラブ
  • 音楽教室やダンス教室などの習い事教室
  • ベビーシッター
  • 認可外保育施設
  • 民間学童

など、任意で認定を受ける事業者です。

自分の施設がどちらに該当するか分からない場合は、所轄の行政機関やこども家庭庁に問い合わせて確認しましょう。

確認漏れを防ぐための記録管理

現職者全員の確認を漏れなく行うため、適切な記録管理が不可欠です。

📋 対象者リストの作成

  • 民間事業者:認定を受けた日時点で在籍している職員のリストを作成
  • 学校設置者等:令和8年12月25日時点で在籍している職員のリストを作成

✅ 確認状況の記録

各職員について、以下の情報を記録しておきましょう。

  • 申請日
  • 確認書の交付日
  • 確認結果(該当なし、該当あり)
  • 途中退職者の情報

表計算ソフトなどを使って管理すると、進捗状況が一目で分かり便利です。

期限を守るためのスケジュール管理

確認期限を確実に守るため、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。

⏰ 民間事業者のスケジュール例

認定を受けてから1年以内に完了させる必要があります。

  • 認定から1か月以内:対象者リストの作成、申請準備
  • 認定から3か月以内:全員分の申請を開始
  • 認定から9か月まで:確認書の受領、記録保存
  • 認定から11か月まで:完了届の提出準備
  • 認定から1年以内:完了届を提出

⏰ 学校設置者等のスケジュール例

3年間の猶予期間がありますが、国から指定された時期に申請する必要があります。

  • 施行前:対象者リストの作成、体制整備
  • 国からの通知:自分の施設の申請時期を確認
  • 指定時期の3か月前:申請準備を開始
  • 指定時期:確実に申請を実施

犯罪事実確認の申請から確認書の交付までには時間がかかる場合があります。期限ギリギリではなく、余裕を持って申請を開始しましょう。

情報管理規程の整備

犯罪事実確認を行う前に、情報管理規程の作成が必須です。

  • 民間事業者:認定申請時に情報管理規程を提出
  • 学校設置者等:確認申請前に情報管理規程を整備

規程では、犯罪事実確認記録等の取扱方法、保管場所、廃棄方法、漏えい時の対応などを定めます。

ユキマサくん

情報管理規程も作らないといけないのか。結構やることが多いね。

純さん

そうなんです。でも一つ一つ順番に進めていけば大丈夫です。
特に民間事業者の方は、認定を受けるタイミングを計画的に決めることで、余裕を持って準備できますよ。

まとめ

ユキマサくん

民間事業者は1年、学校設置者等は3年っていう違いがよく分かったよ。基準日も違うんだね。

純さん

そうですね。
民間事業者は「認定を受けた日」から1年、学校設置者等は「法律の施行日」から3年という違いをしっかり押さえておくことが大切です。

こども性暴力防止法(日本版DBS)では、現職者の犯罪事実確認について、民間事業者と学校設置者等で期限が大きく異なります。

自分の施設がどちらに該当するかを正確に把握し、期限を守って確実に確認を完了させることが重要です。

この記事の重要ポイント

  • 民間事業者は認定を受けた日から1年以内に確認完了
  • 学校設置者等は法律の施行日(令和8年12月25日)から3年以内に確認完了
  • 基準日が異なる:民間事業者は認定日、学校設置者等は施行日
  • 民間事業者は完了後に届出が必要
  • 学校設置者等は約280万人のため分散して実施
  • 期限前に退職した職員は確認不要
  • 情報管理規程の整備が必須
  • 余裕を持ったスケジュール管理が重要

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