日本版DBSとは?制度の概要と事業者に求められる措置を解説

目次

はじめに

2024年6月19日、日本版DBSを創設する新法が参議院本会議で可決・成立し、2026年度中の施行が決定しました。正式名称は「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律」で、通称「こども性暴力防止法」と呼ばれます。

画像引用:https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/106604.html

日本版DBSとは、子どもと関わる仕事に従事する人の性犯罪歴を確認する制度で、イギリスのDBS(Disclosure and Barring Service、前歴開示・前歴者就業制限機構)を参考に設計されています。

この制度により、性犯罪歴のある人の学校や保育所などへの就労が実質的に制限されることになります。

この制度導入の背景には、わいせつ行為で処分される教員が増加傾向であるという深刻な現状があります。

子どもたちの安全な学習・生活環境を確保するため、画期的な取り組みがついに始動します。

日本版DBS制度の基本概要

画像引用:https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/106604.html

制度の目的と仕組み

日本版DBS制度は、子どもの安全な教育・保育環境づくりを目的として、こども家庭庁による犯罪歴照会システムを活用します。

事業者は、こども家庭庁に対して雇用する人の犯罪歴確認申請を行い、こども家庭庁が法務省に犯罪歴を照会して、性犯罪歴の有無により「犯罪事実確認書」が交付される仕組みです。

対象施設の分類

画像引用:https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/106604.html

日本版DBS制度では、施設によって確認が義務となるか任意となるかが異なります。

義務化対象

  • 学校(小学校、中学校、高等学校)
  • 認可保育所
  • 幼稚園
  • 認定こども園など

認定制(任意参加)

  • 学習塾
  • 学童保育
  • スポーツクラブ
  • スイミングスクール
  • インターナショナルスクールなど

対象外

  • 個人経営の学習塾
  • キャンプボランティアなど1人で事業を行っているもの

民間の教育保育施設が日本版DBS制度に参加する場合は、一定の条件を満たして認定を受ける必要があります。認定を受けた施設は国が公表するほか、パンフレットや入園案内などで認定ステータスを表示することが可能です。

※個人事業主については、事業の運営方法によって対象か否かの判断が分かれるので注意が必要です。

以下の記事を御覧ください。

対象となる犯罪と確認期間

特定性犯罪の範囲

日本版DBS制度で確認対象となる犯罪は、法律に「特定性犯罪」として明記されています。

  • 児童ポルノ禁止法違反
  • 不同意性交等罪
  • 痴漢
  • 盗撮などの条例違反

一方、ストーカー規制法違反や下着の窃盗、不起訴処分となった性犯罪などは対象に含まれません。

照会可能期間

画像引用:https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/106604.html

性犯罪歴の照会対象期間は、刑の種類によって異なります。

  • 拘禁刑(懲役・禁錮):刑の執行終了から20年
  • 執行猶予:裁判確定日から10年
  • 罰金刑:刑の執行終了から10年

事業者に求められる措置

義務化施設の対応

日本版DBS制度では、対象となる施設に以下の措置を求めています。

  • 教員や職員への研修の実施
  • 子どもの相談体制の整備
  • 性暴力が疑われる場合の調査・保護体制の構築
  • 教員や職員の性犯罪歴の調査

現職者への対応

性犯罪歴の調査対象は、これから新規雇用する者だけでなく、現在就業している職員も含まれます。

性犯罪歴が判明した場合は、子どもと接する場面のない部署への異動などの対応が必要です。

導入背景となった深刻な現状

日本の小児性犯罪の実態

日本では子どもを対象とした性犯罪が深刻な社会問題となっています。

  • 令和4年度の調査では、わいせつ行為やセクハラで処分された公立学校教員が10年連続で200人を超えている
  • 0〜12歳の被害者数は2018年比で1.4倍以上に増加
  • 性加害者の7〜8割が顔見知りとの報告

教育・保育現場の特殊性

教育や保育を提供する事業には以下の特殊性があります。

支配性:子どもに対して支配的な立場にある

継続性:子どもと継続的な人間関係がある

閉鎖性:他人の目に触れない状況を簡単に作れる

これらの特性により、性被害が発生しやすい環境となる可能性があります。

日本版DBS制度は、このような環境において子どもたちを守るための重要な仕組みとなることが期待されています。

制度の課題と今後の展望

主な課題

運用体制の整備:制度が義務化される学校関係者だけでも数万人規模の確認が必要とされ、膨大な確認体制の整備が課題となっています。

プライバシー保護:性犯罪歴という極めて個人的な情報の取り扱いには、厳格なプライバシー保護体制が求められます。

認定制の具体的運用:民間施設の認定制については、具体的な運用方法や対象範囲の明確化が必要です。

期待される効果

日本版DBS制度の導入により、以下の効果が期待されています。

  • 性犯罪の抑止効果
  • 教育現場における性犯罪防止意識の向上
  • 安全かつ健全な教育・保育環境の実現
  • 保護者の安心感向上

まとめ

画像引用:https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/106604.html

日本版DBSは、子どもたちを性犯罪から守るための画期的な制度として、2026年度の施行に向けて準備が進められています。

制度の円滑な運用には課題もありますが、子どもたちの安全な教育・保育環境を確保するため、社会全体での取り組みが重要です。

この制度により、教育・保育現場がより安全な場所となり、子どもたちが安心して成長できる社会の実現が期待されます。

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