ユキマサくん純さん、うちの民間学童で日本版DBSの対応が必要だって聞いたんだけど、放課後児童支援員だけじゃなくて宿題の見守りスタッフや夏休みのアルバイトも対象になるの?



学童保育は運営形態によって義務対象か認定対象かが変わります。まずそこを確認してから、誰が確認の対象になるかを整理していきましょう。
日本版DBS(こども性暴力防止法)が2025年12月25日に施行され、学童保育・民間学童も制度への対応が求められるようになりました。
でも、「うちは公設なの?民間なの?」「放課後児童支援員は当然対象だと思うけど、宿題の見守りスタッフは?」「夏休みだけ来るアルバイトはどうなるの?」と、疑問が次々と出てくるのではないでしょうか。
この記事では、学童保育・民間学童の運営者・施設長の方に向けて、運営形態による制度上の位置づけの違いと、対象スタッフの範囲・確認期限を行政書士の視点からシンプルに解説します。
- 公設公営・公設民営・完全民営で制度上の位置づけがどう変わるか
- 放課後児童支援員・補助員・宿題見守りスタッフなど職種ごとの対象の考え方
- 長期休暇(夏休み・冬休み)だけ来るスタッフが対象になるかどうかの判断基準
- 運営形態によって異なる確認期限の整理
学童保育は「運営形態」で位置づけが変わる





うちは市から委託を受けて学童を運営してるんだけど、義務対象なの?認定対象なの?



委託の場合は「共同認定」という仕組みになります。
まず運営形態のパターンを確認してから、自分たちがどれに当たるかを整理しましょう。
学童保育(放課後児童健全育成事業)は、誰が設置して誰が運営しているかによって、日本版DBSの制度上の位置づけが変わります。大きく3つのパターンに分けられます。
| パターン | 設置者 | 運営者 | 位置づけ | 確認期限の起点 |
|---|---|---|---|---|
| ① 公設公営 | 市町村 | 市町村 | 義務対象 | 施行日から3年以内 |
| ② 公設民営(委託) | 市町村 | 民間事業者 | 共同認定(市町村と民間が共同で申請) | 認定日から1年以内 |
| ③ 完全民営 | 民間事業者 | 民間事業者 | 認定対象(民間が単独で申請) | 認定日から1年以内 |
公設公営(①)の場合
市町村が設置・運営する放課後児童クラブは義務対象です。認定を受けるかどうかに関係なく、施行日(令和8年12月25日)から犯罪事実確認の義務が自動的に発生します。現職者の確認期限は施行日から3年以内です。
公設民営・完全民営(②③)の場合
民間事業者が運営に関わる場合は、認定対象(任意)として位置づけられます。認定を取得した時点で犯罪事実確認の義務が発生し、現職者の確認期限は認定日から1年以内です。
市町村から学童保育の運営を委託されている民間事業者(②)については、市町村と民間事業者が共同認定を申請する仕組みになっています。共同認定の場合、犯罪事実確認の役割は「市町村が雇用するスタッフは市町村が、民間が雇用するスタッフは民間が確認する」という形で分担します。
共同認定の手続きや役割分担の詳細については、別記事で詳しく解説する予定です。市町村から委託を受けている事業者の方は、まず市町村の担当窓口に自分たちがどのパターンに当たるかを確認することをお勧めします。
この記事の主な対象読者
この記事では、主に完全民営の学童保育(③)の運営者・施設長を対象として、対象スタッフの範囲と確認期限を解説します。公設民営(②)の民間側の運営者の方も、スタッフの範囲の考え方は共通ですので参考にしてください。
犯罪事実確認が必要なスタッフの範囲





放課後児童支援員は当然対象だと思うけど、補助員や宿題見守りのスタッフはどうなるの?



放課後児童支援員・補助員はどちらも一律対象です。
宿題の見守りスタッフや送迎担当は、業務の実態で判断が必要になります。
対象となる従事者かどうかは、こどもとの関わり方が次の3つの要件をすべて満たすかどうかで判断します。


| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ① 支配性 | こどもに対して一定の影響力・接触がある |
| ② 継続性 | 業務として継続的にこどもと関わる |
| ③ 閉鎖性 | 第三者の目がない状況でこどもと接することがある |
一律対象となる職種
ガイドラインでは、放課後児童健全育成事業(学童保育)の以下の職種を一律対象としています。
- 事業所長的立場にある者(施設長・管理者)
- 放課後児童支援員
- 看護職員等
- 補助員
「補助員」は放課後児童支援員の補助として育成支援に携わる方を指します。資格の有無にかかわらず、育成支援の業務を担っていれば一律対象です。一方、「育成支援の周辺業務を行う職員」(事務・清掃など育成支援に直接関わらない業務のみを担う方)は実態で判断します。
実態で判断が必要な職種
送迎バス等の運転手・育成支援の周辺業務を行う職員は、業務の実態に応じて3要件を満たすかどうかを事業所が判断します。
| 職種 | 対象になる例 | 対象外になる例 |
|---|---|---|
| 送迎運転手 | 他の職員が同席しないバスで、こどもと一対一になる場面がある者 | 他の職員が常に同乗しており、一対一になる状況がほとんど想定されない者 |
| 事務職員 | 事務作業が中心だが、例外的にこどもの面倒を見るなど接触が業務として想定される者 | 業務が電話対応・書類整理に限定され、こどもとの接触がほとんど想定されない者 |
| 清掃員 | 育成支援を行っている時間帯に、他の職員の同席がない状況でこどもと接触する機会がある者 | こどもがいない時間帯に清掃を行い、こどもとの接触がほとんど想定されない者 |
宿題見守りスタッフはどう判断する?



宿題の見守りだけを担当するスタッフがいるんだけど、これも対象になるの?



「こどもへの指導・関与があるかどうか」と「他のスタッフの目が届いているかどうか」が判断の分かれ目です。
見守りだけであっても、一対一になる場面があれば対象になり得ます。
宿題見守りスタッフが対象になるかどうかは、3要件のうち「支配性」と「閉鎖性」があるかどうかが判断の核心です。
| 宿題見守りの状況 | 対象になるか | 理由 |
|---|---|---|
| 複数のこどもが一堂に集まった場所で、他のスタッフも同席した状態で見守る | 対象外の方向 | 閉鎖性を満たさない可能性が高い |
| 別室や仕切られたスペースで、こどもと一対一になって宿題を見る | 対象 | 支配性・継続性・閉鎖性の3要件を満たす |
| 複数のこどもが集まった場所だが、宿題の質問対応等で一対一になる場面がある | 実態で判断 | 閉鎖性の有無を業務の実態で確認する必要がある |
「見守るだけで指導はしていない」という場合でも、継続的にこどもと閉鎖的な環境で接する機会があれば対象になり得ます。判断に迷う場合は対象として確認を行う方向で対応することをお勧めします。
長期休暇(夏休み・冬休み)だけ来るスタッフはどう判断する?



夏休みや冬休みだけ来てもらうアルバイトスタッフは対象になるの?期間が短いから対象外になるんじゃないかと思ってたんだけど。



従事期間の長さで対象外にはなりません。
業務の内容が3要件を満たすかどうかで判断します。夏休み期間中、毎日こどもと閉鎖的な環境で接するのであれば対象になります。
法律上、従事期間の長さによって対象外になるという例外はありません。業務の内容が3要件を満たすかどうかだけが判断の基準です。
| 状況 | 対象になるか | 理由 |
|---|---|---|
| 夏休み期間中(約40日間)、毎日育成支援の業務を担当する | 対象 | 期間中は継続的にこどもと接しており、3要件を満たす |
| 冬休みのイベント(1日だけ)の運営スタッフとして参加する | 対象外の方向 | 1日限りで継続性がなく、第三者の目がある環境での関わりであれば閉鎖性も満たさない |
長期休暇のアルバイトスタッフは、採用が決まってから従事開始まで時間的な余裕がないケースが多いです。採用計画を立てる段階から、犯罪事実確認の申請スケジュールを組み込んでおくことが重要です。確認書の交付には日本国籍の場合で2週間〜1か月かかります。
パート・非常勤・アルバイトも対象になります
雇用形態や契約の有無にかかわらず、3要件を満たす業務を行っていれば確認の対象になります。
| 雇用形態 | 対象になるか |
|---|---|
| 正職員 | 対象 |
| パート・アルバイト | 対象 |
| 非常勤・嘱託 | 対象 |
| 派遣・請負 | 対象 |
| 業務委託(個人) | 対象 |
| ボランティア | 3要件を満たす場合は対象 |
「週2日だけ来てもらっているパートの補助員」も、継続的にこどもと閉鎖的な環境で接する業務を行っていれば対象になります。勤務日数の少なさは対象外の理由にはなりません。


確認の期限はいつまで?運営形態で起点が違う



公設と民間で確認期限が違うって言ってたけど、具体的にどう違うの?



公設公営は施行日から3年以内、民間は認定日から1年以内です。
特に民間は期限が短いので、認定を取ったらすぐに動き出す必要があります。
犯罪事実確認の期限は、運営形態と従事者の区分によって異なります。まず運営形態ごとの起点の違いを確認しましょう。
| 運営形態 | 現職者の確認期限の起点 | 現職者の期限 |
|---|---|---|
| 公設公営(義務対象) | 施行日(令和8年12月25日) | 施行日から3年以内(令和11年12月24日まで) |
| 公設民営・完全民営(認定対象) | 認定日 | 認定日から1年以内 |
民間学童の確認期限は認可保育所など義務対象の「3年以内」と比べて1年以内と大幅に短い点に注意が必要です。認定取得後はすみやかに手続きを進めましょう。
新規採用者はいつから申請できる?
新規採用者については、内定通知・内示を出したときから犯罪事実確認書の交付申請ができます。従事開始当日に間に合わせるためにも、内定を出したらすぐに申請手続きを始めることが大切です。
犯罪事実確認書の交付には、日本国籍の場合で2週間〜1か月、外国籍の場合で1〜2か月程度かかります。長期休暇のアルバイトスタッフは採用決定から従事開始までが短いケースが多いため、特に早めの申請が必要です。
3つの区分ごとの確認期限
確認の期限は、従事者の区分によって大きく3つに分かれます。ここでは民間学童(認定対象)を例に整理します。
| 区分 | 確認期限 |
|---|---|
| ① 新規採用者 (認定後に内定・内示を出して対象業務に従事させようとする者) | 対象業務に従事させる前まで |
| ② 認定時現職者 (認定日時点ですでに対象業務に従事している者) | 認定日から起算して1年以内 |
| ③ 5年ごとの再確認 (確認済みの従事者が引き続き対象業務に従事する場合) | 確認日の翌日から起算して5年を経過する日の属する年度の末日まで |
認定日より前に内定・内示を出していた場合
認定日の前日までに内定・内示を出していた従事者は、認定日以降に従事を開始する場合でも認定時現職者として扱われます。この場合、認定日から1年以内の確認でよいことになります。
| 内定・内示のタイミング | 区分 | 確認期限 |
|---|---|---|
| 認定日以降に内定・内示 | 新規採用者 | 従事開始前まで |
| 認定日の前日までに内定・内示 | 認定時現職者 | 認定日から1年以内 |
認定申請を検討している場合は、認定が下りた後にあわてないよう、事前に対象スタッフの洗い出しと申請書類の準備を進めておくことをお勧めします。特に認定時現職者は認定日から1年という期限が思いのほか早く来ます。
急な欠員が出たときの「いとま特例」



学童って急に職員が来られなくなることが多いんだけど、確認が終わるまで代わりの人を入れられないの?



そういう場合のために「いとま特例」という例外規定があります。
ただし使える条件が限られていて、確認が終わるまでの間も一定の措置が必要になります。
原則として、新規採用者は従事開始前までに犯罪事実確認を終わらせる必要があります。しかし、急な欠員など、やむを得ない事情で確認が間に合わない場合に限り、従事開始後に確認を行うことを認める特例が設けられています。これを「いとま特例」と呼びます。
いとま特例が使える「やむを得ない事情」とは
いとま特例が認められるのは、次のような場合に限られます。
- 予見できない欠員が生じたことにより、短期間で新たな従事者を雇用する必要があるとき
- 事業者の責めに帰することができない事由により、他の事業者からの異動や同一事業者内の配置換えの決定等が従事開始日の直前となったとき
- 派遣・請負契約の締結等が、事業者の責めに帰することができない事由により従事開始日の直前となったとき
- 十分な時間的余裕をもって申請したにもかかわらず、従事開始までに犯罪事実確認書の交付が受けられなかったとき
「夏休みの採用が遅くなった」「手続きを忘れていた」など、事業者側の準備不足が原因の場合はいとま特例の対象になりません。学童保育は長期休暇前に人手が必要になることが分かっているため、計画的な採用・申請が重要です。
いとま特例を使う場合の確認期限と必要な措置


いとま特例を使う場合、従事開始日から3か月以内に犯罪事実確認を完了させる必要があります。
また、確認が終わるまでの間は、その従事者を特定性犯罪事実該当者(性犯罪前科あり)とみなして必要な措置を講じなければならないとされています。具体的には、こどもと一対一になる場面を作らないなど、こどもへの接触リスクを下げる対応が求められます。
| 原則 | いとま特例 | |
|---|---|---|
| 確認のタイミング | 従事開始前まで | 従事開始後3か月以内 |
| 従事開始前の確認 | 必要 | 不要(ただし条件あり) |
| 確認までの間の措置 | ― | 前科ありとみなして接触リスクを下げる対応が必要 |
いとま特例はあくまで「例外」です。
夏休み・冬休みなど長期休暇のスタッフ採用は毎年発生することが分かっているため、シーズン前から余裕をもって採用計画を立て、内定が決まったらすぐに申請手続きを始める習慣をつけることが現場を守る最善の方法です。


まとめ



整理すると、放課後児童支援員も補助員も一律対象で、宿題見守りや長期休暇スタッフは業務の実態で判断するんだね。あと運営形態によって確認期限の起点が違うのは知らなかった。



そうですね。
特に民間学童は認定日から1年以内という期限が短いので、認定申請の前から対象スタッフの洗い出しを始めておくことが大切です。
長期休暇のスタッフは採用から従事開始まで時間が短いことも多いので、採用計画の段階から確認のスケジュールを組み込んでおきましょう。
この記事の重要ポイント
- 学童保育は公設公営・公設民営・完全民営の3パターンで制度上の位置づけが変わる。民間が運営に関わる場合は認定対象(任意)になる
- 事業所長・放課後児童支援員・補助員・看護職員等は一律対象。「育成支援の周辺業務を行う職員」(事務・清掃など)は実態で判断する
- 宿題見守りスタッフは、他のスタッフの目がある開放的な環境であれば対象外の方向。一対一になる場面がある場合は対象として確認が必要
- 長期休暇(夏休み・冬休み)だけ来るスタッフも、期間中継続的にこどもと閉鎖的な環境で接するのであれば対象。従事期間の短さは対象外の理由にならない
- パート・非常勤・アルバイトなど雇用形態にかかわらず3要件を満たせば対象になる
- 確認期限の起点は民間学童は認定日。認定時現職者は認定日から1年以内と短いため、認定申請前から準備を進めておくことが重要
- 急な欠員時は「いとま特例」で従事開始後3か月以内の確認が認められるが、確認が終わるまでの間は前科ありとみなした措置が必要。長期休暇前の採用は特に早めの申請を



対象スタッフの洗い出しや確認の手続き、自分たちでやり切れるか不安だな。



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