ユキマサくん純さん、「認定申請の前提となる4つの要件」とか「犯罪事実確認対象者の3つの要件」とか、要件だらけで混乱してきたよ。
両方とも日本版DBS(こども性暴力防止法)の話だよね?



ユキマサくん、混乱するのも無理はないですよ。
この2つは「使うタイミングが全然違う」んです。
そこを整理すれば、スッキリしますよ。



どう違うの?



「4つの要件」は事業がDBSの認定を受けられるかどうかの入口チェック。
「3つの要件」は認定後に誰がDBSの対象になるかを判断するための基準です。
順番に整理していきましょう。
日本版DBS(こども性暴力防止法)を調べていると、「4つの要件」と「3つの要件」という2種類の基準が出てきます。
どちらも同じ法律の話なので混同しやすいのですが、この2つは目的もタイミングもまったく異なる基準です。
混同したまま制度対応を進めると、「認定申請の準備が整っているのに対象者の洗い出しができていない」「対象者は絞れているのに申請の前提条件を確認していない」といったちぐはぐな状況が起きてしまいます。
この記事では、2つの要件それぞれの役割と使うタイミングの違いを、比較表や流れ図を使いながら行政書士の視点でわかりやすく整理します。
- 「4つの要件」と「3つの要件」がそれぞれ何のための基準なのか
- 2つの要件を使うタイミングの違い
- 「4要件クリア→認定→3要件で対象者特定」という正しい流れ
- 混同しやすいよくある誤解と正しい使い分け
なぜ「2種類の要件」があるのか
こども性暴力防止法では、こどもを性暴力から守るための仕組みが2段階で設計されています。
第1段階は「この事業は制度の対象になるか」を判断すること。
第2段階は「この事業の中で誰がDBS(犯罪事実確認)の照会対象になるか」を判断することです。
この2段階それぞれに、異なる判断基準が用意されています。それが「4つの要件」と「3つの要件」です。
| 段階 | 判断する内容 | 使う基準 |
|---|---|---|
| 第1段階 | この事業は認定を受けられる「民間教育保育等事業」に該当するか? | 民間教育保育事業の4つの要件(修業期間・対面・場所・人数) |
| 第2段階 | この事業所のスタッフのうち、誰が犯罪事実確認の対象になるか? | 支配性・継続性・閉鎖性の3つの要件 |
第1段階をクリアして初めて第2段階に進めます。つまり、4要件で「認定を受けられる事業かどうか」を確認してから、3要件で「誰が対象か」を判断するという順番になります。逆にはなりません。



なるほど、順番があるんだね。
じゃあまず「4つの要件」から確認しないといけないってこと?



そうです。4つの要件をクリアしていない事業者は、そもそも認定を申請できません。
次の章で、それぞれの要件の役割を詳しく見ていきましょう。
民間教育保育事業の4要件とは「事業の入口チェック」です


民間教育保育事業の4要件は、学習塾・スポーツクラブ・学童保育などの民間事業者がそもそも認定申請をできる立場にあるかどうかを確認するための基準です。
認定申請の前提条件として、次の4つをすべて満たしている必要があります。
| 要件 | 内容 | 満たさない事業の例 |
|---|---|---|
| ① 修業期間 | 6か月以上の期間中に、同じこどもが2回以上参加できること | 夏期講習のみ・1回完結型イベント |
| ② 対面 | こどもと対面で指導を行うこと | 完全オンラインのみの教室 |
| ③ 場所 | こどもの自宅以外の場所で指導を行うことがあること | 訪問型の家庭教師(自宅のみ) |
| ④ 人数 | こどもに指導を行う者が3人以上であること | 代表+講師1名の合計2名体制 |
4要件が設けられた理由
「こどもに何かを教える事業」は世の中に無数にあります。1回限りのワークショップから年間通いの学習塾まで、性暴力リスクの実態はさまざまです。
そこでこども家庭庁は、継続的にこどもと対面で接する実態がある事業かどうかを確認するための最低限の条件として、この4要件を設けました。
言い換えると、4要件は「支配性・継続性・閉鎖性が生じやすい事業かどうか」を事業レベルで大まかにふるいにかけるための基準です。
4要件を使うタイミング
4要件を確認するのは、こども家庭庁へ認定申請を行う前の段階です。
- 認定申請を検討し始めたとき、最初に確認する
- 4要件をすべて満たしていれば、認定申請の準備(規程作成・研修実施など)に進める
- 1つでも満たさない場合は、認定申請そのものができない
4要件のうち最も確認が必要なのは④人数要件(3名以上)です。パート・アルバイト・業務委託の講師も含めて3名以上いるかどうかを最初に確認してください。代表者+講師1名の2名体制では要件を満たしません。


支配性・継続性・閉鎖性の3要件とは「人の実態チェック」です


支配性・継続性・閉鎖性の3要件は、認定を受けた事業所(または義務対象の事業所)の中で、どのスタッフが犯罪事実確認(DBS照会)の対象になるかを判断するための基準です。
施設で働く全員が対象になるわけではありません。次の3要件をすべて満たす業務に従事している人だけが対象です。
| 要件 | 意味 | 対象外になる例 |
|---|---|---|
| 支配性 | 指導や会話を通じて、こどもに対して優越的な立場に立つ機会がある | こどもとまったく接しない業務 |
| 継続性 | 日常的・定期的にこどもと接する機会がある | 年1回のイベント講師・単発スタッフ |
| 閉鎖性 | 他の職員や保護者が同席しない状況でこどもと接する機会がある | 常に複数の大人が同席している業務 |
3要件が設けられた理由
施設で働く人の職種はさまざまです。
保育士・講師・事務員・調理員・運転手・ボランティアなど、職名だけでは「誰が性暴力を起こしやすい状況に置かれているか」を正確に判断することはできません。
そこでこども家庭庁は、職名ではなく業務の実態に基づいて対象者を特定するための基準として、この3要件を定めました。
「事務員だから対象外」「保育士だから対象」という職名による判断は通用しません。実際の業務の中で3要件をすべて満たすかどうかが判断の軸になります。
3要件を使うタイミング
3要件を確認するのは、認定を受けた後(または義務対象として制度が適用された後)、個々のスタッフの業務を判定する段階です。
- 新しいスタッフを採用するとき(内定後・業務従事決定後)
- 既存スタッフの業務内容が変わったとき
- 業務委託・派遣・ボランティアなど雇用形態が異なるスタッフが加わったとき
- 5年ごとの再確認が必要かどうかを判断するとき
3要件は雇用形態を問わず適用されます。パート・アルバイト・業務委託・派遣のスタッフであっても、3要件をすべて満たす業務に従事していれば犯罪事実確認の対象です。「社員じゃないから対象外」という判断は誤りです。


2つの要件を並べて比べてみましょう
ここで、2つの要件の違いを一覧で整理します。
| 比較項目 | 民間教育保育事業の 4要件 | 支配性・継続性・閉鎖性の 3要件 |
|---|---|---|
| 何を判断するか | 事業(サービス)そのもの | 個々の従事者・業務内容 |
| 主な役割 | 認定を受けられる事業かどうかの資格確認 | 照会を受けるべき対象者を特定する実態判断 |
| 使うタイミング | こども家庭庁への認定申請の前 | 採用時・配置変更時・現職者の特定時 |
| 満たさない場合 | 認定申請そのものができない | その従事者は犯罪事実確認の対象外 |
| 対象 | 民間教育保育等事業者 | すべての認定事業者・義務対象事業者 |
「4要件→認定→3要件で対象者特定」という正しい流れ
2つの要件は、次のような順番で使います。
(修業期間・対面・場所・人数)をすべて満たす
(GビズID・システム登録・対処規程・情報管理規程・研修)をクリアーして認定取得
スタッフ一人ひとりの業務を判定



なるほど!
4要件が最初の入口で、3要件は認定を取った後に使うんだね。
順番が全然違うんだ。



そうなんです。
「3要件で対象者を絞ったのに4要件を確認していなかった」という順番の取り違えをしてしまうと、認定申請の入口でつまずいてしまいます。
まず4要件、次に3要件、という流れを覚えておいてください。
義務対象の事業者(学校・認可保育所・認定こども園など)は4要件の確認は不要です。
法律で義務づけられているため、最初から3要件を使ってスタッフの対象者を特定する段階から始まります。
4要件が必要なのは民間事業者が任意で認定を受ける場合のみです。
よくある混同パターンと正しい使い分け
2つの要件は、実務の中でよく混同されます。ここでは特によくある誤解を3つ取り上げます。
混同①「4要件を満たしていれば全スタッフが確認対象になる」
4要件は「事業が認定対象に該当するかどうか」を判断するためのものです。4要件を満たしたからといって、施設で働く全員が犯罪事実確認の対象になるわけではありません。
誰が対象になるかは、個々の業務内容を3要件で判断して初めて決まります。
| 誤った考え方 | 正しい考え方 | |
|---|---|---|
| 4要件と対象者 | 4要件を満たす事業所のスタッフは全員対象 | 4要件は事業の判定。誰が対象かは3要件で別途判断する |
混同②「3要件を満たすスタッフがいれば認定申請できる」
3要件を満たすスタッフがいること(つまり、こどもと継続的・閉鎖的・支配的に接する業務がある)は、認定申請の可否とは関係ありません。
認定申請ができるかどうかはあくまで4要件で判断します。3要件はその後の段階で使うものです。
| 誤った考え方 | 正しい考え方 | |
|---|---|---|
| 3要件と申請資格 | 3要件を満たすスタッフがいる事業所は認定申請できる | 申請できるかどうかは4要件で判断。3要件は対象者の特定に使う |
混同③「4要件の人数要件(3名)と3要件は同じもの」



4要件の「指導する人が3名以上」っていうのと、3要件の「支配性・継続性・閉鎖性」って、結局似たようなこと言ってない?



似て見えますが、まったく別のことを言っています。
4要件の「3名以上」は「その事業を申請できるかどうか」を決める人数の条件です。
3要件の支配性・継続性・閉鎖性は「そのスタッフ個人の業務の実態」を判断するものです。
目的も使うタイミングも違います。
| 基準 | 何を見るか | 目的 |
|---|---|---|
| 4要件の人数要件(3名以上) | 事業所全体で指導者が何名いるか | 認定申請の資格があるかどうかを判断する |
| 3要件(支配性・継続性・閉鎖性) | 個々のスタッフの業務内容がどうか | 誰が犯罪事実確認の対象になるかを判断する |
4要件の人数要件をクリアした「3名以上の指導者」のうち、さらに3要件を満たす業務に従事している人だけが犯罪事実確認の対象になります。人数要件をクリアした人が全員対象になるわけではありません。
まとめ



やっと整理できた気がする。
「4要件は事業の入口チェック」「3要件は人の実態チェック」で、使う順番も違うんだね。



そうです。
まず4要件で「この事業は認定を受けられるか」を確認して、認定を取った後に3要件で「誰が確認対象か」を判断する、という2段階の流れです。
順番を間違えないようにしましょう。
この記事の重要ポイント
- 民間教育保育事業の4要件は「事業が認定を受けられるかどうか」を判断する申請前の入口チェック
- 支配性・継続性・閉鎖性の3要件は「誰が犯罪事実確認の対象になるか」を判断する認定後の人の実態チェック
- 正しい順番は「4要件で申請資格を確認→認定取得→3要件で対象者を特定」
- 4要件を満たしていても、全スタッフが確認対象になるわけではない。誰が対象かは3要件で別途判断する
- 3要件を満たすスタッフがいることと、認定申請の可否は別の話
- 義務対象の事業者(学校・認可保育所など)は4要件の確認は不要。最初から3要件で対象者を特定する段階から始まる



整理できてよかった。
でも実際に自分の施設でどっちの要件を満たしているか確認するのは、やっぱり不安だな。



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