ユキマサくん純さん、うちの英会話教室ってネイティブの外国人講師がいるんだけど、日本版DBSって外国人にも関係あるの?



はい、関係ありますよ。
国籍に関係なく、こどもに接する業務を担当する人はすべて犯罪事実確認の対象になります。



えっ、外国人でも?手続きって日本人と同じなの?



提出する書類と、確認にかかる時間が変わってきます。外国人講師の場合は1〜2か月かかることもあるので、採用スケジュールに注意が必要です。この記事で順番に解説しますね。
2025年12月、こども性暴力防止法(日本版DBS)が施行されます。英会話教室やダンス教室、スポーツクラブなど、外国人講師・インストラクターを起用している事業者にとっても、この制度は無関係ではありません。
「外国人だから対象外では?」と思っている方もいるかもしれませんが、国籍は関係ありません。こどもに接する業務を担当するのであれば、日本人と同じく犯罪事実確認の対象になります。
ただし、外国人の場合は手続きに使う書類が異なり、確認が完了するまでに時間がかかります。この点を知らずに採用を進めると、従事開始日までに確認が間に合わないというトラブルが起きやすくなります。
この記事では、外国人講師・インストラクターと日本版DBSの関係について、制度をはじめて知る方にもわかるように、行政書士の視点から解説します。
- 日本版DBS(こども性暴力防止法)とはどんな制度か
- 外国人講師・インストラクターが犯罪事実確認の対象になる理由
- 日本人と外国人で手続きの何が違うのか
- 外国人講師を採用するときに注意すべきスケジュールの組み方
- 採用前に契約書・誓約書に盛り込んでおくべきこと
日本版DBS(こども性暴力防止法)とはどんな制度ですか
日本版DBSとは、こどもに接する仕事をする人の性犯罪歴を、雇用前に確認できる仕組みのことです。正式名称は「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律」、通称「こども性暴力防止法」といいます。2025年12月25日に施行されました。
DBSとは「Disclosure and Barring Service」の略で、イギリスで先行して導入された制度をもとに、日本版として設計されたものです。
この制度で何ができるようになったのか
これまでは、採用する側が応募者の性犯罪歴を確認する手段がありませんでした。しかし日本版DBSの導入によって、事業者がこども家庭庁のシステムをとおして、採用予定者の性犯罪歴を公的に確認できるようになります。
確認の対象となる性犯罪歴の範囲は次のとおりです。


- 不同意わいせつ罪・不同意性交等罪などの性犯罪
- 痴漢などいわゆる迷惑防止条例違反
- 被害者がこども以外の場合の性犯罪も対象
逮捕されても不起訴になった場合は「前科」にあたらないため、確認の対象になりません。あくまで有罪判決(拘禁刑・罰金刑)が確定した記録が対象です。
対象になる事業者は2種類に分かれます


こども性暴力防止法の対象事業者は、大きく2つに分かれます。
| 区分 | 主な対象 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 義務対象(学校設置者等) | 幼稚園・小中学校・高校・認定こども園・認可保育所など | 犯罪事実確認や規程整備が法律で義務づけられる |
| 認定対象(民間教育保育等事業者) | 英会話教室・ダンス教室・スポーツクラブ・学習塾・認可外保育施設など | 国の「認定」を任意で申請する。認定を受けた場合のみ制度が適用される |
英会話教室やダンス教室は後者、つまり任意の認定対象にあたります。認定を受けることで、こどもへの性暴力防止に取り組んでいる事業者として、保護者への信頼度を高めることができます。


外国人講師・インストラクターも犯罪事実確認の対象になる



外国人って、日本の法律の対象になるの?ビザとか在留資格の問題もあるし、対象外じゃないの?



国籍は関係ありません。日本国内でこどもに接する業務に就く人であれば、外国人でも犯罪事実確認の対象になります。
こども性暴力防止法は、対象となる従事者の要件を「国籍」ではなく「業務の内容」で定めています。つまり、日本国内でこどもに接する業務を担当するかどうかが判断基準です。
外国人講師・インストラクターであっても、次の条件に当てはまる場合は確認の対象になります。
- こどもと直接対面して指導を行っている
- 継続的にこどもと関わる業務を担当している
- 雇用契約・業務委託契約・派遣など、契約形態を問わない
「外国人だから対象外」「業務委託だから関係ない」という考え方は誤りです。雇用形態や国籍に関わらず、こどもに接する業務を担当する人はすべて対象になります。
英会話教室・ダンス教室でよくある対象者の例
次のような外国人スタッフは、犯罪事実確認の対象になります。
| スタッフの種別 | 対象になるかどうか |
|---|---|
| 直接雇用のネイティブ英会話講師 | ✅ 対象 |
| 業務委託契約のネイティブ英会話講師 | ✅ 対象 |
| 派遣会社から派遣された外国人インストラクター | ✅ 対象 |
| 週1回程度のダンス・音楽レッスンを担当する外国人講師 | ✅ 対象(継続性があるため) |
| 単発イベントのみ参加するゲスト講師(継続性なし) | △ 継続性の要件次第で対象外になる場合あり |
定期的にレッスンを担当している講師は、ほぼすべて対象と考えておくのが安全です。
外国人講師の犯罪事実確認で確認できる範囲
犯罪事実確認で照会できるのは、日本国内で確定した性犯罪の前科です。日本の裁判所で有罪判決が確定した記録が、法務省のデータベースに登録されており、こども家庭庁がこれを照会します。
母国での犯罪歴は、現時点では日本版DBSの照会対象に含まれません。出身国での性犯罪歴を把握したい場合は、別途、出身国の証明書類の提出を採用条件として契約書に定める方法が考えられます。ただし、その取り扱いには個人情報保護の観点から慎重な対応が必要です。
日本人講師と外国人講師で手続きの違い



外国人でも対象になるのはわかった。でも手続きって日本人と同じなの?



提出する書類と、確認が完了するまでの期間が異なります。外国人の場合は時間がかかるので、採用のスケジュールを立てるときに注意が必要です。
提出書類の違い
犯罪事実確認の手続きでは、本人がこども家庭庁に対して身元を証明する書類を提出します。日本人と外国人では、提出する書類が異なります。
| 日本国籍の講師 | 外国籍の講師 | |
|---|---|---|
| 本人が提出する書類 | 戸籍の抄本・戸籍に記載した事項に関する証明書など(本籍・氏名・生年月日を証明するもの) | 住民票の写しその他、国籍・氏名・生年月日を証明するために必要な書類 |
| 確認に使われる情報 | 氏名・生年月日・本籍 | 氏名・生年月日・国籍等 |
外国人の場合、住民票の写しが基本となります。ただし、在留資格や住民登録の状況によって必要書類が変わることがあるため、実際の申請時にはこども家庭庁の案内を確認することをおすすめします。
確認にかかる期間の違い
確認にかかる期間は、日本人と外国人で大きく異なります。
| 目安となる期間 | |
|---|---|
| 日本国籍の講師 | 2週間〜1か月程度 |
| 外国籍の講師 | 1〜2か月程度 |
外国人講師の場合、犯罪事実確認書が交付されるまでに最長2か月かかることがあります。「来月からレッスンに入ってもらいたい」という採用計画では、確認が間に合わない可能性があります。
確認が間に合わない場合の「いとま特例」
急な欠員など、やむを得ない事情で従事開始までに確認が間に合わない場合に限り、「いとま特例」という例外措置が認められています。
| 特例の内容 | 条件 |
|---|---|
| 従事開始から3か月以内に確認を完了させる | 急な欠員・人事異動など |
| 従事開始から6か月以内に確認を完了させる | 合併・新設・国による確認の遅れなど |
いとま特例が適用される間は、その講師をこどもと1対1にさせないなどの安全措置をとることが義務づけられています。特例はあくまで例外であり、通常は従事開始前に確認を完了させることが原則です。
外国人講師・インストラクターを採用する前にやっておくべきこと



確認に1〜2か月かかるなら、採用のスケジュールをかなり前倒しにしないといけないね。他に準備することってある?



スケジュールの調整に加えて、契約書と誓約書の整備が重要です。外国人講師の場合、就業規則が適用されないケースも多いので、契約書でしっかりカバーしておく必要があります。
採用スケジュールは最低2か月前倒しで組む
外国人講師の犯罪事実確認には最長2か月かかることがあります。従事開始日から逆算すると、内定を出す時期を少なくとも2か月前倒しにする必要があります。
スケジュールのイメージは次のとおりです。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 従事開始の3か月前 | 採用募集を開始する |
| 従事開始の2か月前 | 内定を出す・犯罪事実確認の申請を行う(内定後でないと申請できない) |
| 従事開始の1か月前〜直前 | 確認書が交付される・入職の最終確認 |
| 従事開始日 | 確認書の交付を確認してから業務に就かせる |
犯罪事実確認は内定が出た後でないと申請できません。内定前に申請することはできないため、早めに選考を進めて内定を出すことが重要です。
誓約書に盛り込んでおくべきこと
採用の際には、外国人講師にも誓約書を提出してもらいましょう。誓約書に盛り込んでおくべき主な内容は次のとおりです。
- 特定性犯罪の前科がないことの表明・保証
- 犯罪事実確認の手続きに協力する義務
- 虚偽の申告が判明した場合の内定取消し・契約解除への同意
業務委託契約書に盛り込んでおくべきこと
外国人講師を業務委託で起用している場合、就業規則の適用外となります。そのため、業務委託契約書の中に必要な事項を明記しておくことが不可欠です。
業務委託契約書に盛り込んでおくべき主な内容は次のとおりです。
- こども性暴力防止法に基づく犯罪事実確認への協力義務
- 特定性犯罪前科がないことの表明・保証
- 前科が判明した場合の契約解除条項
- 確認手続きへの協力を拒否した場合の契約解除条項
- 児童対象性暴力等対処規程の内容を遵守する義務
既存の業務委託契約書にこれらの条項が入っていない場合は、認定申請前に契約書を改訂しておく必要があります。新規契約は最初から盛り込んでおきましょう。
日本語が苦手な外国人講師への対応
外国人講師の中には、日本語での書類対応が難しい方もいます。誓約書や契約書、犯罪事実確認の手続きについては、英語など本人が理解できる言語で説明・案内することが望ましいです。
まとめ



外国人でも犯罪事実確認の対象になるのか。確認に時間がかかるのも知らなかったよ。もっと早くから動いておかないといけないね。



そうなんです。
特に外国人講師は確認に1〜2か月かかるので、採用スケジュールを前倒しにすることと、契約書・誓約書の整備を早めに進めることが大切です。
外国人講師・インストラクターと日本版DBSについて、この記事でお伝えしたことを振り返ります。
この記事の重要ポイント
- 外国人講師・インストラクターも国籍に関わらず犯罪事実確認の対象になる
- 雇用形態(直接雇用・業務委託・派遣)は関係なく、こどもに接する業務を担当するかどうかが判断基準
- 外国人の場合、確認にかかる期間は1〜2か月と日本人(2週間〜1か月)より長い
- 提出書類は日本人が戸籍関係書類なのに対し、外国人は住民票の写しなどが必要
- 採用スケジュールは従事開始の2〜3か月前から動き出すことが必要
- 業務委託の外国人講師には就業規則が適用されないため、契約書への条項明記が不可欠
- 日本版DBSで確認できるのは日本国内の性犯罪歴のみ。母国での犯罪歴は対象外



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